メキシコ留学体験記進学先:法政大学 文学部

愛に溢れたメキシコ

常夏の町、メキシコのメリダに私は一年間留学しました。私の出会ったメキシコの人々はいつも陽気で、私とは違い恐れず他人を愛せる強い人々でした。

私は留学するまでほとんどスペイン語が話せませんでした。AFSは世界中にネットワークがあり、そのメリダの町にも数多くの国から留学生が来ていました。彼らは英語もスペイン語も上手で、自信に顔を輝かせ、なぜか私は劣等感を抱いていました。

「恵理子はスペイン語下手だからテストで良い点なんて取れないでしょ?」

なんでそんなこと言われないといけないんだろう。

なら期末テストで学年一位を取ろう!

私は学友のリゼスとリカルドにお願いして勉強を見てもらいました。  

二人は毎日夜9時まで付き合ってくれて、3科目の総合成績で私は学年一位を取りました。気づけば私のスペイン語はもう流暢になっていました。

 

私が暮らしたホストファミリーは、父、母と二人の姉妹のいる4人家族でした。彼らは私に本当に大切なことを教えてくれました。それはメキシコ人の強い愛でした。人生における本当の幸せや喜び、大事にすべきこと。

「大事なのはお金ではなく、たくさんの物を持つことでもなく、今あるものに目を向けて、今この瞬間を一生懸命に生きること」

ホストマザーのその言葉を私は一生忘れません。

今はもう留学前の弱い私はどこにもいません。私は何も恐れず彼らを家族として心から愛しています。