チリ留学体験記進学先:国際基督教大学 教養学部
チリで学んだ家族の大切さ
なんとなく高校で夢中になれるものが見つけられなかった私は
「みんなと違うことがしたい」
そんな風に格好つけて留学先を探し始めました。
留学すると楽しいこともありますが、辛いこともあります。生活には慣れてきても自分の気持ちをそのままスペイン語で表現できないと落ち込んだり、ついつい日本のお笑い番組をYouTubeで観て現実から逃げたり。
ある日母からメールが届いて、開くとなぜか幼少期によく読んでもらっていた絵本
「ぼちぼちいこか」のイラストが送られてきました。
母は私の小さな異変に気づいたのだとすぐにわかりました。どんな綺麗な言葉や励ましより、たった1枚のイラストが私の心のごわごわしていた部分をすっと溶かしてくれました。
チリの生活は私に家族の大切さを気づかせてくれました。
チリに留学してみて、現地でできた友達は皆、自分の力で未来を切り開いていたことに驚きました。
私のホームステイ先のホストシスターも、早いうちから進路を決めたり、習い事に励んだりしていて、私は将来や身の回りの出来事に無頓着だったので、彼らがとても眩しく見えました。
自分は何が好きで、何がしたいのか。そういうことを考え出したのは留学に行ってからでした。私は帰国してから今までたくさん回り道をしました。ただ確実に言えるのは、留学しなかった場合の、
「周りに流されてしまう私」よりも今の自分が好きだし、誇りに思います。
焦らず、流されず、時には歩みを止めて、
自分のペースで進んだからこそ、後悔せず、
今の自分に胸を張れます。